「良質米生産」に向けた今後の肥培管理について

後期の水管理
稲は出穂の約1ヶ月前から穂を作り始めます。この幼穂形成の時期は水の吸収が多くなるため、出穂の約35日前に中干しを終了します。(4月20日植えで6月21日頃)
また、水が必要といっても深く水を張り続けると根が弱るため、いつも土が湿った状態の間断かんがいにしましょう。


穂肥
籾を太らすにはチッソ分が必要なため穂肥は必要ですが、施用時期と量を適正にしないと倒伏やいもち病、稲こうじ病の発生要因となるので注意が必要です。適期は、親穂の幼穂長1.0cm、出穂前20~18日頃です。
(平年並みの天候の場合、4月20日植えで7月8日頃)
施肥量はチッソ成分で2~3kg/10a、葉色が濃い場合は少なめに施用してください。

主な肥料  NK-C6号
(チッソ17%、カリ17%)
SCNK化成
(チッソ14%、カリ14%) 
 軽量追肥化成15         
(チッソ22%、リン2%、カリ14%)
粒状固形136号    
(チッソ10%、リン3%、カリ6%、腐食有機30%) 
特 徴  速効タイプで素早く効くため、半量で2回にわけて散布する。  肥効50日タイプなので、登熟までゆっくり効く。  速効タイプ、高成分なので施肥量を間違えないように注意する。  緩効タイプ、3~5ミリの粒状なので、霧や小雨でも散布できる。
散布量   15~20kg/10a  20~30kg/10a  10~15kg/10a  20~30kg/10a

(3)稲こうじ病について
稲こうじ病に対しては発病後の治療効果のある薬剤はありません。
昨年と同様に発生が少ないとは限らないので、出穂前に予防散布を実施しましょう。

主な発生原因
①前年の病籾、菌核(黒い菌糸の塊)から伝染
②多湿、過剰施肥による過繁茂、密植
③穂ばらみ期(出穂直前)の低温(13~15℃)、出穂期以降の高温(25~30℃)

施 肥 対 策
チッソ分の過剰施肥や追肥時期の遅れは発病を助長するので、むやみな追肥は避け、葉色の濃い稲にならないように肥培管理して下さい。(特に昨年発生したほ場)

薬 剤 防 除
稲こうじ病は稲穂に発病してからでは、薬剤散布は間に合わない(出穂前5日以降は効果がない)ので、薬剤の散布適期に防除することが重要です。

主な防除薬剤 ラテラ粉剤DL
*いもち病にも有効
ブラシン粉剤DL
*いもち病にも有効
カスミンボルドー(水和剤)
*いもち病にも有効
防除適期 出穂前14~8日 出穂前14~8日 出穂前18~10日
散布量/希釈倍数 3~4kg/10a 4kg/10a 2000倍
使用回数 3回以内 2回以内 1回